宇宙から帰って来た少年

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「なんだ お前は!?」 「オレ?地球人だけど」 「ふざけんな!」 男は少年の顔に向かってパンチを浴びせた。 パンチは見事に少年の顔に当たった。が、少年はひるむことはなく 男の腕をつかんだ。 「だーかーらー 嫌いだって言ってんだろ」 つかんだ腕はグキグキと音を立てる。 「イダダダダダダ!! ごめんなさいごめんなさい許して」 男は明らかに年下の少年に本気であやまり 去っていった。 他の男達もかなわないとさとったのか 去っていった。 「大丈夫か?」 少年は少女に尋ねる。 「アンタって 仲吉 虎丸?」 「そうだけど」 そのとおり オレの名前は仲吉 虎丸 (なかよし とらまる) 六日前まで宇宙で修行していた身だ。好きなものは、メロンパン、嫌いなことは、漫画みたいな事。 「アンタ 私のこと知らないの?」 知らないの?と聞かれてもな~と 虎丸は考える。 1年間、地球でいえば1ヵ月 虎丸は宇宙で過ごしていて 地球でのことを 結構忘れている。 それに 六日前に地球に帰ってきて 始めて人に会ったとき、思わず 「おわぁー人間だ!」 と言ってしまった。 「すいません どちら様で」 「私はアンタと同じクラスの 間崎由姫(かんざき ゆき)よ!」 そうでございますか。
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