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収録も無事に終え、楽屋へと戻る廊下で携帯をいじりながら前を歩くあっちゃんがいた。
あたしはラッキーとばかりに、後ろからガバッと抱きついた。
「わっ!なんだ優子かーびっくりさせないでよ!」
「へへっーごめんなさい」
「反省してないでしょ?」
と、あっちゃんが笑いながらあたしを見る。
ただそれだけでなんだか胸が苦しくて、あたしの中の欲求があっちゃんを求める。
でも、そんな自分にブレーキをかけて暴走しないように気をつける。
だって気持ちを伝えたって、あたしの想いは届かないんだから…
「反省してます!」
「調子いいなあー笑」
「ねぇ!今日は仕事終わり?」
「うん、終わりだよー!このあとたかみなと映画見に行くんだ!」
そんな、そんな嬉しそうな顔で言わないで。
また実感させられちゃうから、あたしが入り込む隙間なんてないってこと。
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