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敵は今、大量の煙によって視界を奪われ立ち往生している。
敵を気にせず走れるのはその間だけだ。
俺はこの少ない時間におもいっきり足を動かし、なんとか最後尾を走っている軍曹に追い付いた。
「ハァ・・・ハァ・・・軍曹・・・!!!」
「ウェイスどうした!!もうグロッキーか!?」
・・・この様子からして、この人はマジで俺が隣に残ってたことに気づいてなかったのだろうか・・・?
しかし今はそんなことはどうでもいい。早く回収地点まで急がないと・・・かなりやばい状態だ・・・。
そう思いながら俺は後ろを振り返った。
そう。煙幕が晴れ始めているのだ。
いくら大量に投げたグレネードでも、しょせん大きさはたかがしれている。
したがって、噴出できる煙の量も少ない。
大量に投げたのは広範囲に広がる敵の視界を一度に遮ることが目的であって、長い時間煙幕を張るには継続的に投げ続けなければならない。
無論そんなことができるわけもなく、こうして今再び敵の攻撃が始まろうとしているわけだ。
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