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「軍曹、今は一大事なんですよ?」
「ああ、わかってるさベン。・・・で、なんとか中国海軍を避けて他の基地に向かうことはできんのか?」
「残念ながら無理です。
現在地であるインド南部海域の上空から、今残っている燃料で一直線に飛べば、なんとか日本の沖縄まで飛べますが・・・そうとなると・・・」
「・・・なるほど。
中国海軍の真上を通過することになるわけか。
確かにそれは自殺行為だ。」
「はい。そうです。」
「待てよ・・・?
なら、同盟国であるオーストラリアの軍事基地へ受け入れ要請をすればいいんじゃないか?」
「はい、その通りです。
軍曹のおっしゃる通り、もう総司令部にその要請をするように頼み、オーストラリアからも了承したとの返答がきたと、さっき通信が入りました。」
「そうか、それなら一気に東南アジアを突っ切って・・・」
「そうしたいんですが・・・残念なことに、一番近いオーストラリア軍基地まで飛ぶには燃料が少し足りないんです。」
「・・・つまり、なんにせよ給油のために一度フィリピンの基地に着陸しなければならない・・・そういうことか。」
「はい・・・申し訳ありません・・・。」
「いや、それは仕方ない。そうとなればとっとと給油してオーストラリアまで飛ぶだけだ。」
「はい・・・連合軍側の海軍が、少しでも足止めしてくれていればいいんですが・・・」
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