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この思わしくない状況の中、何人生き残れるかわからない・・・。
もしかすると俺もここで死ぬことになるのかもしれない。
・・・いや、俺はここで死ぬわけにはいかない。
部下も1人も死なせはしない。
そう強く思いながら俺はインカムに口を寄せる。
「よし、全員インカムの電源を切るなよ?いつどこでバラバラになるかわからんからな。
・・・この状況、決して良くないことは確かだ。
むしろ最悪と言ってもいいかもしれん。
海上の唯一の味方である連合艦隊もおそらく圧倒的な力を持つ中国海軍の連中にやられるだろう。
そしてそうなれば俺達は丸腰になる。
この部隊の大半が輸送ヘリだ。とても戦艦や戦闘機になんかに勝てやしない。
太刀打ちできるのは護衛部隊のハリアー10機足らずのみだ。」
・・・どれだけ自らを奮わせても、不安を押さえきれないのだろう。
だから俺はその不安を少しでも解消するために、まるで愚痴をこぼすように悪いことだけを連ねて口に出している。
・・・なにやってんだ。部隊の指揮を任された人間がそんなことばっかり言ってどうする。
部下の士気を下げたいのか?
そんなことすれば余計に犠牲者が増える。
・・・それだけはダメだ・・・
部下の命だけは・・・
絶対に敵方には譲らねぇぞ・・・
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