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あたしは軽く微笑んで、ベッドから下りて洋兄の隣に腰を下ろす。
「やっぱり、洋兄は紗由さんが好きなんだって」
「俺が?」
「だって、彼氏出来たら嫌なんでしょ?それって、自分以外を見てほしくないってことじゃない?」
洋兄は、ぎこちなく頷いた。
あたしの胸は、ちくりと痛む。
気持ちにさえ気付けば、洋兄は強い。
真っ直ぐさは、誰にも負けないんだから。
「そばにいるのが当たり前過ぎて、わかんなかったんだな……」
天井を見上げる洋兄の横顔は、どこか晴れ晴れとしていた。
そばにいるのが当たり前だったのは、あたしも一緒だよ。
あたしも、洋兄が好きなんだよ!
溢れだしそうな想いは、喉の奥に押し返した。
折角だもん。かっこつけたいじゃん。
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