気付いた恋と嘘。

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家に帰ると、響はお風呂に入っていた。 両親も仕事から帰ってきていない。 誰にも顔を合わせることなく部屋まで行けたのは、有り難かった。 あたしは迷わずベッドに飛び込んで、枕に顔を押しつけた。 「っく……」 声を押し殺して、瞳を濡らして、あたしは気持ちを整理するように泣き続けた。 簡単に消える想いじゃない。 だけど、きっと吹っ切れる。 だから今は、思う存分泣いてしまいたい。 明日からは、また笑えるようにと。
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