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「なんでここにいんだ」
「…っ」
耳元で響いた少し低めの声に、体が勝手に震えてしまう。
恐る恐る開いた視界に映るのは、私を真っ直ぐ見下ろすセンパイ。
少し固い指先が、私の頬に触れる。そして――、
「生徒会室で、女の子を押し倒すのは禁止だよ」
突然、割り込むように響いた声に、センパイはピタリと動きを止めた。
「……まだ何もしてねぇ」
「でも、これからするつもりだったんだろ?」
センパイの不機嫌そうな声に答えるのは、楽しげな柔らかい声。
顔を見なくたってわかる。
さっき屋上で会った会長さんの声だ。
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