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「普通の女の子だったら、ここで泣いたりするんじゃないかな」
「一瞬すぎて、よくわかんなくて」
「そっか。まあ、虎宇の手が早過ぎたってことかな?」
「たぶん…」
確かに早かった。
でも、その言い方じゃ他の意味に聞こえちゃうんですけど…。
私の考え過ぎかな。
「改めて自己紹介するけど、俺は2年の加藤郁斗(かとう いくと)」
「あ、はいっ」
「あの怖いのも2年で、夏木虎宇(なつき こう)」
「夏木センパイですね」
「うん。でも、どうせなら名前で呼んであげなよ」
会長は、眼鏡のレンズ越しに悪戯っぽい瞳で見つめてくる。
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