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「大丈夫だよ。そんなんじゃないから」
「う、うん…。そっか、未衣には響(ひびき)センパイがいるもんね」
「やだな夢ちゃん。響はただの幼なじみだよ」
ホッと息を吐き出している夢ちゃんに、首を振る。
それにしても、夢ちゃんはコロコロ表情が変わって面白い。
だめだってわかっているんだけど、ついからかっちゃうんだ。
……なんて思っていたのに。
「それなら誰が好きなの?」
「ええっ?」
夢ちゃんに不思議そうに聞かれて困ってしまう。
いきなり立場が逆転しちゃったみたいだよ。
真っ直ぐ向けられるのは、純粋な眼差し。
私に「好きな人」がいることをこれっぽっちも疑っていない目だ。
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