放課後の内緒話

6/9
前へ
/355ページ
次へ
「……へ?」 我ながら間抜けな声を出しながら、振り向いていく。 私の席は、一番廊下側な訳で。 こっちから話しかけられるとしたら――、 「王子ねぇ…。お前、葵のことを王子なんて呼んでるんだな」 いつの間にか廊下に立っていたのは、虎宇センパイ。 虎宇センパイは廊下窓越しに私を見下ろして、ものすごく意地悪そうな表情を浮かべた。 「虎宇センパイ!? な、なんでここに…」 「郁斗に言われて迎えに来た」 「え」 「せっかく手に入れた雑用に、逃げられるわけいかねぇしな」 「ええっ!?」 ものすごい早業で、机の上に置いてあったバックを取られてしまう。 虎宇センパイは、バックを肩にかけると「早く来い」なんて、偉そうに言った。
/355ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14702人が本棚に入れています
本棚に追加