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「……へ?」
我ながら間抜けな声を出しながら、振り向いていく。
私の席は、一番廊下側な訳で。
こっちから話しかけられるとしたら――、
「王子ねぇ…。お前、葵のことを王子なんて呼んでるんだな」
いつの間にか廊下に立っていたのは、虎宇センパイ。
虎宇センパイは廊下窓越しに私を見下ろして、ものすごく意地悪そうな表情を浮かべた。
「虎宇センパイ!? な、なんでここに…」
「郁斗に言われて迎えに来た」
「え」
「せっかく手に入れた雑用に、逃げられるわけいかねぇしな」
「ええっ!?」
ものすごい早業で、机の上に置いてあったバックを取られてしまう。
虎宇センパイは、バックを肩にかけると「早く来い」なんて、偉そうに言った。
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