開始

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「これ・・・俺だよな・・・・。」 青年は震えた声で言った。 “それ”をどうにかする手もなく、ただ青年はこうして立ち尽くすことしかできない。 「・・・・緒方洋二郎様と武田佑介様ですね。」 いつの間にか黒いスーツに身を包んだ黒づくめの男が立っていた。 顔にはお面をしていたが、声で性別が判断できた。 忍者ハットリ君のお面だ。こうして見ると、あの愛らしい顔が不気味に見える。 「こちらへ来て下さい。」 黒づくめはそう言い、この部屋のドアの方へ歩き出した。 「ほら.いくぞ。」 佑介はそう言い、洋二郎の腕を掴んだ。 「・・・・・。」 洋二郎は無言のまま、“それ”の脇に立ち尽くしている。 「いくぞ!!」 佑介は無理矢理、放心状態の洋二郎の腕を引っ張って、黒づくめについていった。 “それ”の隣には、武田佑介と書かれた紙の貼ってある、透明な囲いがあった。 その中の青年にも何本ものチューブが繋がれ、周りには数々の生命維持装置のようなものが置かれていた。 ピー.ピー.ピー
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