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「はぁ~あ・・・・。」
洋二郎は下を向き大きな溜め息をついた。
―・・・・・さいあく。
洋二郎の制服には、べたりとアイスがこべりついていた。
―さっきぶつかった時にか・・・・。
洋二郎はしぶしぶ、小汚いない学生カバンからハンカチを取り出そうとした。
―っけもう・・・・。
手もさっきのハプニングで、アイスでべとべとになっていることに、洋二郎は気付いた。
「今日は、ほんとについてないな・・・。」
そう声に出して言い、洋二郎はハンカチで制服を拭き始めた。
その時、
「おい、お前!!」
洋二郎は自分が呼ばれたような気がして後ろを振り返った。案の定、そうだった。
声の主は、とても険悪な顔をしている。
よく見れば、先刻ぶつかった青年だった。
耳には大きなピアス。口にも小さいがピアスがついていた。
―終わった・・・・・な。
洋二郎はそう思い、背筋をピンと張って、“ごめんなさい”と呟いた。
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