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「竜也!?早く消さないと…!!」
「くぅ…全然消えてくれない!?」
竜也と夢は一生懸命消火しようと試みるが、炎は消えない。
「その炎は消せはしない。夢…もう諦めるんだ。
その炎はデザトンを倒さなければ消えないし、六真竜を持たないお前に倒せはしない。」
夢は父親の無情な言葉に希望と絶望を得る。
(お父さんを倒しさえすれば炎は消える。なら竜也が助かる見込みはある。でもどうやって…。)
夢は手札や場のカードを見ながら必死に思考をめぐらせる。
(堕神鳥デザトンはカードの効果を受けない。ということは必然的に倒す方法は戦闘破壊に限られてくる。
だけど今の私には3800もの攻撃力を越えるカードはない…。)
夢の脳裏に大会で見た四人の選手が思い浮かぶ。その選手たちは意図も容易く圧倒的な攻撃力を駆使していた。
(勝ちたい…。勝って竜也やこの世界、そしてお父さんを救いたい。そのためにも新しい力が欲しい。)
夢はあまりデュエルで勝つことに興味はなかった。ただ、やっていると勝てたというだけであって、夢自身はデュエルをコミュニケーションの手段の一つとしか思っていなかった。
そんな夢が初めて勝利を願った。その想いが奇跡を起こす。
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