上司を中心に愛を叫びたい。

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いやー、しかし何だったんでしょうね、さっきのは。 見た事はあるんですよ。 たしか「ドウリョウ」とかいうのだったと思うのですか……。 まぁ、もう過ぎてしまったことですし、ズールの手先でいいですね。 屋上にも着きましたし。 この屋上は、俺のお気に入りの場所です。 扉を開ければ太陽と青空が出迎え、爽やかな風が通り抜ける。 そして生物班の研究のためか、色とりどりの花や植物が屋上で育てられ、緑の匂いが空間を包みます。 恐らく俺だけでなく、多くの社員がここを利用してるでしょうね。 しかし今は俺一人です。 私の中の一番の楽しみである「妄想」をするのに、最適な環境。 皆様もどうか、勝手ながらお付き合い願います。 因みに今、俺の中でのMYブームは「学生シチュ」です。 この「学生シチュ」、簡単に言えば青春真っ盛りな年代の、微笑ましい出来事をシュミレートするのですが、中々奥が深い。 これを題材に妄想すると、色々な場所、立場があり、また学校という限られた空間であるため、程よい距離感を作りやすいのです。 昨今に限ったことではありませんが、学園物の人気が高いものが多いのが頷けますね。 っと……評論家を気取りすぎましたね。 とにかく、ストレス解消がこれの目的なのだから、さっさと開始しましょう。 さて、今日はどんな学園物のワンシーンを描こうか。 教師と生徒に起こりうるLOVEなものは大体やりましたし、今回は原点に戻って(まぁ今の時代に原点なんて、ほとんど主観の問題ですが)悩み悶々としている学生の戯れでも妄想しようと思います。 ではいきます! 1、2、3、キュー! ――――――――――――――――――― 屋上のひじ掛けに丁度良い柵に腕を置き、俺はぼんやりと、どこともなく、オレンジ色に染まった空を眺めていた。 穏やかな空気だ。 風も柔らかく、あたたかい。 また下を見てみれば、そこで野球部やサッカー部といった運動部が気合いのかけ声を轟かせながら、砂ぼこりをたてて練習をしていた。
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