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少女は、男に対して不思議そうに話し掛ける。 「お兄ちゃん、こんなところで何してるの?」 ・・・・・・ 何秒間か、男は沈黙し、ぼそぼそと呟く。 「さあな」 素っ気ない返事。にも関わらず、少女は続けて問い掛けた。 「お兄ちゃん、お名前は?」 ----これじゃまるで俺の方が子供じゃあねぇか。 自分が情けなくなったのか、少女の問いに一切反応しなくなった男。 男に対し、少女は心配そうな眼差しを掲げる。 「どうしたの?チョコいるの?」 「何でお嬢ちゃんは俺なんかに優しくしてくれるんだ?」 簡単な答えだ。 「私、人間が好きなんだ」
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