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小さな恋
『リンちゃん、リンちゃん!!』
私に2歳当時の記憶は 残念ながらない。
でも、保育園で いつもユウネ君に呼ばれていた気がする。
初めてのバレンタイン。
チウ(kiss)のお返しも。
残念ながら記憶にございません。
そんなことをママが、嬉しそうに話して聞かせてくれるのだ。
『リンちゃん、お顔のブツブツどうしたん?』
ある日、お友達から指摘されたイチゴ状血管腫の治療跡。
今も、私の顔面左半分は 薄いケロイドが残っている。
小さな私は、みんなと違う些細なそれがあるために髪を伸ばして隠れるようにしていたように思う。
『リンちゃん、ユウネはリンちゃんの長い髪が好きやで。』
その5歳の時に聞いた一言も、髪を伸ばしている理由の一つかもしれない。
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