第47話 反撃

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「夕霧、今度は逃がさねえ」 燃え立つような髪の鬼はひどく嬉しそうに言う。 「夕霧夕霧ってウッサイわね!私は真紀よ!」 「だが、俺のことは覚えているはずだ。受け継いだ呪術に俺への憎しみが刻まれているだろ?」 両角鬼、京を騒がせた鬼であり、若き武士の裾を踏み、夕霧がその短い生涯を通して戦った宿敵。あまりに有名であり、記憶でなく知識として知っている。 ただ、この鬼を見ていると向かっ腹が立って仕方がない。 これが呪術に刻まれた夕霧の記憶というなら、そうなのかもしれない。 「確かに私は夕霧系の姫よ。だったら、あんたと夕霧の千年来の決着、私が今ここで着けてやろうじゃない」 「涙が出るほどうれしいぜ。万が一にも俺が負けることはありえねえが、お前に斬られるなら本望だ」 「斬るのはカズマよ。カズマ、やるわよ」
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