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熊の口蓋を裂いた薙刀は、空中に固定されたかのようにカズマの頭上で停止する。
意味するところは一つ。
私の足は意識するより先に裾から退いており、停止した薙刀の代わりに下ではカズマの回転が始まる
両足の回転は腰へ伝わり、さらに胴から肩へと伝わり、私が地へ伏せるように裾を踏んだ時には先端の薙刀へ伝わっていた。
力とスピードの乗った一撃。
最初の攻撃を凌駕するものであったが、鬼は大剣で受け止める。
鬼は短く息を吐き、素早く引いた大剣を真横に薙ぐ。
狙いはカズマ
カズマは大きく後ろへ跳ぶ。
元々低い体勢だった私は剣を頭上にやり過ごし、まだ着地すらしていないカズマの裾を呪縛する。
飛距離不足。カズマは呪縛によって地へ引きつけられ、体重により腐泥門の泥が跳ねる。
大剣がカズマの肩をかすめ、服が裂かれて血がにじむ。
だが、余分な距離はいらない。避けるのは最少で良い。
間合いは常に攻撃重視でなければならない。
カズマも解っており、薙刀はすでに唸りを上げている。
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