第47話 反撃

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余計な者はいらない。私と望月さんだけいればいい。 死と隣合わせの、二人だけの世界 互いを感じることによってのみ、生き残る事が出来る極限状態。 誰にも邪魔されたくない。 望月さんが私の肩を叩き、私と位置を入れ換える。 私の前に裾が広がる。 私と望月さんの絆が形となる場所 その裾を染めているのは、あの少女の血。 不快だ。 まるで、私と望月さんの間を隔てるかのように、色濃くこびり付いている。 ここに居らずとも、自分の存在を誇示しているように思える。 私は彼女の血を吸った裾を、踵で踏みにじる。 (いなくなれば…いい) 彼女など死んでしまえばいいのだ 指輪を望月さんに返したことを私は後悔する。 いっそ、望月さんを沈めてしまえばとも思う。そうすれば、彼は生涯私の物となる。 彼女がどんな顔をするか、どれほど嘆くか、想像するだけで愉しくなる。 望月さんと、入口を挟んだ向かいに立つ哲平が頷く。 それを合図に、哲平はドテラの裾を翻して突入した。
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