15423人が本棚に入れています
本棚に追加
/1157ページ
両角鬼の大剣は刃こぼれ一つしない。ただし、さすがに腕への負担が大きかったのか、両角鬼の動きが一瞬止まる。
絶好の機会であったが、慶岳の負担も大きく、次撃が繰り出せない
カズマと真紀は体勢を立て直していたが、薙刀の刃は別の方向で火花を散らす。
腱を断たれた時狂人が血を散らしながら床を転がり、カズマに迫ったのだ。
時狂人は逆手にした百過刀を巧みに操り、カズマの脚と腐泥門を狙う。
カズマはさせじと薙刀を浴びせる
望月は地を蹴り、うつ伏せとなって床の上を滑る。伸ばした手は飛ばされた冥府刀を掴むが、そのまま体重を支える柱となり、片脚が現れた腐泥門に弧を描く。
泥上を薙ぐ脚は、望月に追い付こうとした夏奈子の足を払い、夏奈子を転倒させる。
夏奈子の首があった場所を鉤のように曲げた襟引鬼の指が過ぎ、天井から逆さに下がった襟引鬼は上半身を振り子のように振り、床へ降り立つ。
その間に両角鬼は回復しており、剣を両手持ちに変える。
片腕で冥府鎚と互角、両手ならば優に勝る。
最初のコメントを投稿しよう!