第45話 惨劇の始まり

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【望月拓郎の視点】 俺は冷や汗混じりに携帯電話を眺める。 画面に今し方の通話時間が三秒と表示され、すぐに待ち受け画面へ戻る。 そして、再び携帯が鳴り始める。 「すごい震えのバイブレータね?二の腕までブルブル震えてる」 美奈が珍しそうに俺の携帯を見る 「違う…バイブレータなんて作動させてない…俺の震えだ」 俺は包帯を巻いた右手で左手の震えを押さえ、『夏奈子』と表示された電話を耳に当てる。 『なぜ、切ったのです?』 「いや、モシモシもなく突然スピーカーから『怨みます』と聞こえりゃ誰だって思わず切るだろ」 『言わずにはいられない私の気持ちも察してください。おいてかれるなんて、情けなくて涙が出ました』 「悪かった。ごめん」 『そう思うのなら、望月さんが駅まで迎えに来てください。あと二十分ぐらいで軽石沢駅に着きますから』 「わかった」 『…そこに美奈さんは?』 「ああ、いる」 『なら、問題です。青い牛飼っている…オから一つ飛びに字を抜いてゆくと?』 「えーと、あ・い・し・て・る」 プッ…ツーツーツー 通話は一方的に切れ、やはり携帯を持つ手がカタカタと震え始める
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