プロローグ

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「エ~ン! エ~ン!」 「いくら泣いたってお父さんとお母さんは来ないよ」 知っていた。 伯父さんは優しい嘘をついてくれたけど、僕は知っている。 僕は捨てられたのだ。 お父さんとお母さんの役に立てないから。 「でっけぇな…でっけぇ泣き声だ」 「あぁ、秋斗(アキト)。起こしてしまったか」 「いや、どうせ高校に行かなきゃならねぇ時間だからいいよ」 この人は伯父さんのむす…むす……とにかく僕の従兄弟にあたる人らしい。 その人は欠伸をしながら僕に歩み寄って来る。 そして頭を捕まれた。 怒られる! そう思った。 だけど、 掛けられた言葉は 一瞬同様してしまう 驚いてしまう そんな 人生を変えてしまう言葉だった。 「お前、陸上って知ってるか?」
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