眩暈

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眩暈

さくらは絶頂。わたしのあたまは空気中からなにか繊細な白色の糸を見いだそうとしている。寂しいはるのひは音を失くして、視界いっぱいの光、風、生命のそよぎ。窓を開け放してその空気をわたしにください。硝子ごしの春は見ようと思えばいつでも色彩を反転させる、貧血をおこした世界が影を投げる。光をこんなふうにネガのように吸い取っている。はるのひ。 110417
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