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アーデレにとってもこんな会話は久しぶりで(もしかしたら初の経験だったかもしれない)、二人は時間を忘れて話し込んだ。夕食を食べに行くことさえほっぽって(食事は配給式ではなく、大食堂に自分のネームプレートを持っていき受け取るシステム)、気づけば二人は何年も前から知り合いであった友人のように親しくなっていた。
アーデレもジュシーも孤独であったから、互いに渇望していたのだろう。二人が親しくなるのは何ら不思議ではなかった。
「そう、アーデレは友だちがいなかったのね…?」
「そういうことになるかしら。」
アーデレの言葉には力がこもっていなかった。すっと空をすり抜ける感じだ。
「平気よ。」ジュシーが微笑む。「私だって友だちいかなったもの。それに、もう私がいるわ。でしょ?」
アーデレのつんと張った顔が、少し和らいだように見えた。
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