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アーデレが部屋に戻ると、ジュシーは目を覚ましてベッドの上で起きあがっていた。アーデレの両手に二人分の朝食があるのを見て、ジュシーは申し訳なさそうに話す。
「アーデレ、ごめんなさい…。私、足がダメで…いつもはナースコール使うんだけど、無理させちゃって…」
「大丈夫よ。」
アーデレはジュシーの前に彼女の分の朝食を置くと、そのすぐとなりに自分の朝食を置き、ベッド近くのパイプ椅子を引き寄せて座った。
「足が悪いなら言ってくれれば良かったのに。そしたら、少しもむっとせずに朝食を取りに行ったわ。」
「ごめんなさい。その…迷惑かけたくなくて。」
アーデレはふぅと息を吐くと、パック牛乳を一気に飲み干した。ジュシーはそれを見て目をぱちくりさせている。アーデレの行動は、とても女の子の仕草には見えない。
「普通の女友だちはどうだか知らないけど、私は大丈夫よ。少しくらいの迷惑はむしろ歓迎だわ。」
「…ありがと。」
ジュシーはぐっと体を起こすと、アーデレの頬に軽くキスをした。今度はアーデレが目をぱちくりさせ、唇の触れた頬を手で覆いながらジュシーを見た。ジュシーはふふっと照れくさそうに笑うと、仲直りのしるしよ、とアーデレに告げて朝食を食べはじめた。
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