一章

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「ありがとう。今日はこれで解散。じゃあ、また明日」 そう言い放ち玲奈は颯爽と教室を出ていった。 1人取り残された一樹。 静まりかえった教室の中で、彼はケータイを握りしめ呆然と着席したまま固まっている。 今のは何だったのだろう。夢でも見ていたのだろうか? 日は傾き教室の奥まで光が届いている。 思わずケータイを確認した。確かに新しくメルアドと番号が記録されている。 「夢じゃなかった」 局地的な興奮をしたまま彼は独り呟いた。
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