ハジマリ
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王は驚いて立ち上がった。 「まことか、それは」 「ええ」 驚く王をよそに、側近の男は無表情で答えた。 稲置といえば、奇怪な技を使う、反絶対王政派で生まれ変わりの一族である。歴代の王もこれに苦しめられた。これは退屈しないですみそうだ。王は顎鬚を撫で付ける。 「しばらく楽しめそうだ、なあ、──」 「お供します、陛下」
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