不意討ち

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春休みは風のように過ぎ去り、気がつけば今日はから俺たちは中学生になる。慣れない学生服を着て、親からは「ブカブカだ」と笑われながらも、鏡をの中の自分を見て今日から中学生だってことに感動してる俺がいる。 「じゃあ、行ってくる。」 「いってらっしゃい。母さん達も式には間に合うように行くから。」 後ろから聞こえる母親の声に適当に返事をして、俺は家を出た。 これから毎日通うことになる通学路を1人歩いていると道の先に1人の女子中学生の姿が見えた。 長い髪は、手入れされていることが遠くからでもわかるほどに整っている。 少し足を早めてみる。だんだんと少女に近づくにつれある予感がした。 「やっぱりな…。」 女子中学生の顔が見えたとき、俺はポツリとつぶやいた。 「あ、小竹おはよう。」 そこにいたのは腐れ縁にして、俺の片思いの相手、春風どれみだった。 どじみは、それまでのお団子頭をやめ、ロングヘアーにしていた。 少し大人っぽいその髪型は制服に合っていて、とても似合っていた。 ぼーっと見とれていると、どじみが口を開いた。 「制服…」 「え、あぁ…どおせ似合ってないと思ってんだろ。」 「ちっちがう。すごく…似合ってる…。」 ――――不意討ち――― (やられた…。)
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