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「春風、その本なに?」
「これ?これはイギリスの小説だよ。魔法使いの話で…」
窓際後ろから2番目の席でどじみは、春風どれみは隣の席の仲西とかいう美空西小出身の男子と楽しそうにしゃべっている。
「春風」
一度だけつぶやいた。
どうして仲西はあんなに簡単に振り向いてもらえるのだろう。俺は嫌われるのは承知の上で、それでもあいつに振り向いてほしい一心で、「どじみ」と呼び続けているのに…。
―――春風―――
(いつか振り向いてくれる日がくるんだろうか?)
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