春風

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「春風、その本なに?」 「これ?これはイギリスの小説だよ。魔法使いの話。」 隣の席の仲西君が声をかけてきた。席替えをして以来よく話すようになった仲西君。 「春風今度さぁ…」  優しい性格がうかがえる、優しい声で毎日呼ばれれば、そりぁ女の子なら誰だってうれしいよ。けど… 「おい、どじみ。」 「なに?小竹。」 呼ばれるだけで体中が熱くなるような感覚はあいつだけ。 ―――――春風―――― (あいつに春風って呼ばれたらどう感じるかな?)
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