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そんな風に
他愛ない会話をしていた。
彼はいい人。
利「まぁそろそろ本題にはいりますね。今日ここに来た意味わかりますよね?」
彼の顔は崩れる事はない
笑顔のまま
空気だけが変わる
羽「本題…」
そぉ今回私達はお喋りなんかを
したわけではない。
羽「そうですね。顔合わせと言うことですし」
利「ただの顔合わせじゃ無い事もわかってるんでしょ?」
わかっている
私は彼から視線をずらし頷いた。
今日の顔合わせは
互いに10歳の時決められた物だ。
婚約を親同士に決められた時に相手が誰なのか会ったこともない人。
大財閥の次男と言うこと。
私は長女で婿を入れなければならない。
こういった場合会社にとって
高利益で条件を満たす人物は
なかなかいない。
相手からすると息子を出す事はあまり利益のあることではないため嫌がられる。
利紅様は東条家の次男で
家のグループにも条件にも当てはまる。
父にとって離したくない人物だ。
彼方からしたら婚約解消は痛くもないが
こちらからすると大きな打撃となる。
断られるわけにはいかない。
この会談は東条家主催のもの。
これが意味するのは破局。
利「じゃぁ話は早い!この会談と言うか婚約の話」
覚悟は出来ていた。
でも心のどこかでホッとしていた。
断られたら少しは自由になれるかな?
なんて思って。
彼はすっと立ち上がり
私の横に腰掛け耳元で
利「受けてよ」
羽「え?えぇぇー?!」
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