蛇の目エリカ

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―――――――… ―――――――――― 羽「はぁー…」 無事?顔合わせは終わり 彼は先に部屋を出ていった。 私は彼の居なくなった部屋を後にし、 廊下を歩き車へと向かう。 彼が部屋を出る寸前に 言い残した言葉が耳に残る。 「僕等は所詮親の駒なんだよ」 崩れる事はない完璧な笑顔が 少し悲しげに見えて。 婚約解消は避けられたが 将来的に結婚まで つけないかもしれない。 執事「この後お二人はおしょくじ… 羽咲様聞いてますか?」 ふっと我に返る。 羽「はっはい!」 執事「着きましたよ。お乗り下さい。」 執事は車のドアを開け乗るようにすすめた。 利「遅かったですね」 そっと乗り込み横に目をやると ニコニコしながら当たり前のように 座っている人物がいた。 羽「え、」 利「なんでいんの?って顔だね」 また小声て私だけに聞えるように話す。 利「僕さぁ少しの間君の家にお世話になるんだよ。」 お世話になる=暮らす 利「聞いてなかった?」 これでもかって位頷く。 利「なんだか知んないけど 僕は婿に行く身だからさ 君んちでしばらく過ごすんだ。 慣れるために」 羽「でっでも、利紅様は他にも 婚約者が居るから この家に来るとは決まってないんじゃ…」 利「うん。だから俺はいろんな奴んちに 花婿修業に行くの(笑)」 ふざけたように歯を見せて笑う。 利「期限は1ヶ月。よろしくね、羽咲ちゃん」
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