オルゴール

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羽咲視点 家に着いた私は 利紅様を部屋へと案内した。 羽「この部屋開いてますから こちらを使ってください」 利「へぇ広い部屋だね。日当たりもいい。」 羽「お気に召したなら良かった。 では私はこれで。 荷物は届きしだい 家の者に運ばせますので。」 部屋を去ろうとした私は 利紅に手を引かれた。 利「なに言ってんの?」 羽「え?」 顔がすぐ近くまで寄ってくる。 背には壁があり後退りもここまで。 利「僕は客人じゃないの、花婿修行って言ったよね? だから、」 握られた手を口元にあて チュッとリップ音を鳴らす。 利「羽咲と同じ部屋がいい」 ニコニコしながら満足そうだ。 羽「でも、私、部屋に物が(汗)」 利「運べばいい」 羽「この部屋狭いし、」 利「十分ぐらい広いけど?」 羽「ベット一つしかないし」利「一緒でいいじゃん」 羽「他にも家具足りないし」 利「僕は羽咲がいれば十分だけど?」 つい真っ赤になってしまう彼は満面の笑み 私の負けだ。 羽「わかりました。私室はそれとして使いますから 寝室だけこちらを利用させて頂きます。」 利「うん。」 なんだか子供みたいないい争いだった。 不意に可笑しくなって笑ってしまう。 利「なにが可笑しいの?」 羽「いえ、こんなにいい争ったの 初めてだったので」 久しぶりに笑った気もした。 利「そぉ。それはよかったんじゃない?」
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