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「シャルロット……」
「なに?一夏……ぅわっ!」
フワッといきなりシャルロットを抱きしめた一夏。その手はぽんぽんと優しくシャルロットの頭を撫でる。
(ゆ、夢?)
「シャル……温かいな」
「え!?えと……一夏も…温かいよ?」
「シャルを抱きしめてるからだよ」
ドキッ
シャルロットの心臓が大きく跳ねた。
キュッ
「ん……」
そこに追い討ちをかけるように一夏は抱きしめる力を少し強める。
吐息がシャルロットの耳元に迫り、彼女の心拍数を上げる。
「この前は悪かった。
すまん。気づいてやれなくて……」
この前。
それは箒が髪を下ろしていた日のことだ。
あの後、シャルロットは教室で平然としていたために、なぜあんなに悲しそうにしていたのかがすっかりうやむやになってしまった。
それはただ、周りに心配をかけたく無い。そんな思いでシャルロットは平然を装っていただけのこと。
いつもの事だ。
しかし、
(一夏、気づいてたんだ……)
「シャル」
コツン……と一夏が自分の額とシャルロットの額を合わせる。
(ち、ちちちちち近いよ~~~~!)
心が叫び、胸の鼓動が耳元に聞こえてくる。
ドキドキと共に顔が熱くなる。
「もう、絶対離さないからな」
「い、一夏?それって……」
「お喋りはそこまでだぜ。じゃないと、その唇塞いじまうぞ?」
一夏の人差し指がシャルロットの唇に触れる。
「じゃ、じゃあ!
…ず、ずっと…喋ってる……ね?」
「おう、じゃあ今すぐ塞いでやる。
俺の唇で良いならな」
「……いっぱい、喋るもん…」
一夏がシャルロットの頬にそっと触れる。
お互い鼻の先がくっつくまで近づいて、
そして―――――――。
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