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「……あ……れ?」
気がつくと、シャルロットはベットの中にいた。そして今までの事が夢だと理解する。
(もうちょっとだったのに………)
もしあれが現実ならばどんなに嬉しいことだろうか。
シャルロットは起き上がり、自分が男装していた日々を思い出す。
(一夏がいるから僕はここにいる)
あの日、一夏がここにいろと言ってくれなかったら、自分はどうしていただろう。
いつも隣のベットで眠っていた一夏。
今、自分の隣にはラウラがいる。
彼女は自分にとって最高の友達ではあるが想い人では無い。
向けられる気持ちは好意であっても中身は違うものだ。
(……………)
朝になればまた一夏に会える。
しかし、一度目を覚ましてしまったので再び眠りにつくには時間がかかりそうだった。
時計を見ると1の数字。
(さすがに寝てるよね……)
一瞬、その手に携帯を取ったシャルロットだが、隣で寝ているラウラを気にし元の位置に戻す。
(会いたいよ…一夏…)
心で呟くと妙な寂寥感に捕らわれる。
(……大丈夫……だよね)
思い切って携帯を手に取ると、シャルロットは一夏にメールを送信した。
『今、起きてる?』
……………………………………………。
さすがに深夜のメールは返って来なかった。
「ふぅ……」
ため息をついて再び横になる。
と、
ブーッ、ブーッ!
「!!」
メールの受信を告げるバイブ音。
シャルロットはすぐに開く。
相手は当然一夏だ。
『俺はまだ起きてるぞ。シャル、どうかしたのか?』
どうやら一夏は起きているようだ。
何をしているかはわからないが、シャルロットは『目が覚めて眠れないんだよ』と送り返す。
返事は程なくして返ってきた。
『じゃあ俺の部屋来るか?』
『い、いいの!?』
『ああ、誰にも見つからないようにな』
(み、見つからないようにって………)
シャルロットは今の自分の姿を見る。
いつものように白猫ミミのパジャマだ。
(き、着替えるべきかな?)
深夜に一夏の部屋に行く。
それだけでドキドキと胸が高鳴る。
だが相手は唐変木 オブ 唐変木ズの織斑一夏。 変に期待をするとバカを見るのは十分に理解していた。
(うぅ~~~…どうしよう~…)
それからシャルロットが部屋を出たのは数十分後だった。
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