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コンコン。
「一夏、来たよ」
「おう、鍵開いてるから入って来てくれ」
あれからしばらく考えたが、やはり深夜に気合いを入れてもその後が大変になるだろうと、あえて白猫パジャマで来たシャルロット。
廊下は明かりこそあるものの夜遅いために誰とも遭遇しなかった。
「ぉ、お邪魔します…」
おずおずと部屋に入ると、
「よう、シャル」
「こんばんは、シャルロットちゃん♪」
挨拶する一夏ともう一人。
生徒会長・更識楯無その人だった。
「た、楯無さん?」
(なんで楯無さんが……?)
と、シャルロットが疑問を頭に浮かばせたその瞬間、
「白猫ちゃんだーー!」
もの凄い勢いで自分に目を輝かせた楯無が飛びついた。
「うわわわっ!」
それは突進と言っても過言ではなく、そのまま後ろに倒れてしまいそうになる。
「おっと」
そしてそれを助けたのも楯無だった。
「楯無さん、今深夜何ですから静かにしてくださいよ」
ため息混じりに一夏が言う。
楯無はシャルロットに抱きついたまま、
「あれー?誰のせいでこんな時間になってるのかしらん?」
「それは……すいません」
しょぼんと一夏がうつむいた。
「一夏、なにしてたの?」
前にもあった気がするこの展開。
抱きつかれているこの状態でも、シャルロットは無の表情へと見る間に変わっていき、声に怒気をはらんでいた。
「え?いや、授業の課題と楯無さんの課題と生徒会の仕事が終わらなくて……」
「じゃあ、僕を呼んだのは?」
「いや、ただ、課題に関して先生二人のほうがいいかなぁって……」
「ぱーんち」
ドッ!
机に着いていた一夏の腹に掌底が正確に打たれた。
うぐっ!と腹を抱えた一夏だが、力は抑えてあるようですぐに起き上がる。
「それは私の教え方がヘタと言うことかな?」
「いえ、そういう意味じゃなくてですね……」
「じゃあなにかな~?」
椅子から引っ張り上げられ、その前ベットに突き飛ばされた一夏は、ぐぅも言えずに楯無によって寝技をかけられる。
「うぐぐぐぐぐぐ……」
「ふっふ~ん、おねーさんの悪口を言うとこうなるのだ♪
あ、シャルロットちゃん?」
「は、はい!」
「悪いけど一夏くんの課題見てもらえるかしら?私はもう少しお仕置きするから」
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