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「わかりました」
「シャ、シャル!頼むからその前に助けてくれ!」
「………………」
一夏が苦しそうに言う。
普段ならば助けたいところだ。
しかし、寝技をかけられて顔が赤い一夏の顔は、ただ寝技をかけられて赤くなっているようには見えなかった。
「今日はきっちり教えてあげるよ、織斑くん」
額に血管マークを浮かべ、無慈悲な天使の極上の笑みを一夏に見せた。
◆
「ん……」
目を覚ますと、俺は机に突っ伏したまま眠っていた。
不思議と寒くなかったのは、楯無さんかシャルが毛布をかけてくれたからだろう。
机にはなんとか終わった課題がある。
アリーナでよく訓練してはいるが、やはり体だけでなく頭でも理解していなければ話にならないと楯無さんに課題を出されていたのだ。
提出期限は昨日。しかし授業で提出しなければいけないレポート課題の提出を忘れていたのであんなに遅くなったっちまった。
「…………」
ふとベットの方を見ると楯無さんとシャルが一緒に寝ていた。
あの、そこ俺の使っているベットなんですけど……?
「ん?」
机に視線を戻すと、そこに一通の手紙があった。
楯無さんからだ。
『課題に付き合ってくれたシャルロットちゃんにきちんとお礼するように!』
その内容と共に二枚のチケットが入っている。
(ウェディングドレス……試着フェア……)
「なっ…………!!」
ドキッとして思わずベットの方を見る。
視線はシャルをとらえ、どうすることも出来ず、ただただ顔が熱くなるばかりだった……。
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