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「浮かない顔のようだが?」
心配そうにシャルロットの顔を覗き込む箒。
いつものポニーテールとは違い下ろされている。
「大丈夫。何でもないよ」
「本当か?何かあったら言うのだぞ?」
「うん、ありがとう箒」
幾分気が楽になったようでシャルロットは笑顔を見せた。
「ところで……」
「?なんだ?」
「何で今日は髪下ろしてるの?
一夏が気にしてたよ?」
普段のポニーテールも良いが、今日はストレートに下ろしているため、いつもより新鮮に見える。
「い、一夏がか!?」
「うん。だから僕も気になっちゃって」
「そ、そうか………いや、とくに深い意味は無いぞ?たまたまリボンを洗いに出したら…付ける分が無くなっただけで……」
要するにうっかりミスだったのだろう。
箒は少し恥ずかしそうにしていた。
「えと、それじゃあ僕の貸してあげようか?予備なら部屋にあるよ?」
「あ、いや……大丈夫だ」
その恥ずかしそうな表情を変えず、照れくさそうな仕草に、シャルロットはハッとする。
「……あ、そっか。
一夏に髪の事を言ってもらいたいんだね?」
イタズラじみた声音で言うと、
「!!」
箒の頬が赤くなった。
「そそ、そんなわけがないだろう!?……あぅ…」
「箒、顔真っ赤だよ?」
「別に赤くなど……!」
「なってるぞ箒。熱でもあるのか?」
「「一夏!」」
シャルロットと箒二人ハモる。
いつの間にか二人の後ろにいた一夏。
今までの会話が聞かれていないか気になり、二人で頬を色濃く染めた。
「ど、どこから聞いていた?」
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