†prologue†

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 重金属の塊を身に纏った異形の存在。  地上の番人。  人類の敵。  無機質に赤く発光する単眼に自分の姿が映ったのを見て、屈強な兵士の全身に震えが走った。 「この化け物がぁ!」  危機に瀕した兵士を助けようと周囲の仲間が必死に銃撃を浴びせる。  だが焦燥の中で放たれた弾丸の尽くは分厚い装甲に阻まれ、ダメージらしい損傷を与えることが出来ない。  歪な機械音を立てながらゆっくりと向けられる銃口。  機銃が弾丸を撃ち出すまでの僅かなタイムラグ。  一瞬の静寂の中で男は自分の最期を、兵士逹は仲間の喪失を痛感する。  と、その時だった。  一際大きな破裂音と共に突如として堅牢な装甲に風穴が穿たれた。  連続する轟音。
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