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それはまるで稲妻のように正確に鋼殻を貫いていく。
ついさっきまで兵士逹を蹂躙していた巨体が為す術もない。
やがて黒煙を吐き出しながら倒れたソレは、機能を停止させ鉄屑同然の姿を晒す。
「……あ」
敵が死んだ。
生き延びることが出来た。
ようやくその事実を認識し安堵に包まれた兵士逹は皆揃って同じ方角に目を向ける。
彼らの目線は遥か遠く、廃棄されたビルの屋上に一つの人影を捉えた。
長大な砲身を抱えて無骨なスコープを覗くのは一人の少女。
装甲服に身を包むこともせず、およそ戦場に似つかわしくない格好である。
少女は自分の狙撃した対象の沈黙を確認すると、その周りに目をやる。
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