第零章 プロローグ 全ての始まり

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「あと何日生きられる……?」  机の上には三冊の小さな本。赤色、青色、緑色。それぞれ横に開く形になっているその本には数字がズラリと並んでいる。 「一、十、百、千、あぁ……。……全部で二万と数百円。ゼロが一つ増えないかなぁ」  その本に記された数字が変わる筈が無い。分かっている。分かってはいるけれど、何かの間違いであって欲しい。。生活費はおろか、家賃も危い。そろそろ新しいバイト見つけなくてはいけない。  新しい生活にももう慣れた。『ド』がつくほどの田舎からの上京、希望に満ち溢れた引越し。  季節も変わりあれから数か月、正直不安もあった、でもそれにも勝る希望の光。そして現実の壁。 「……金がない。少ないとかじゃなくて、ない」
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