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ここは自分の部屋ではない。自分の部屋はピンクを基調とした、(自分で言うのもあれだが)女の子らしい部屋だ。間違えてもこんな真っ白な部屋になどなったりしない。
心拍が早くなっているのが分かった。破裂しそうになる鼓動を抑えていると、大きな置物が――の目に留まった。
考えるよりも早く、――はそれに飛び付いた。そこに人の姿が映る。
「なに、これ……」
鏡だった。しかし――は、それを否定をしたくて堪らない気持ちになった。
自分の知っている鏡は、物体そのまま反転させて映し出すという代物のはずだ。何らかのトリックがなければ、映るモノが"別の物体"のはずがない。
そこに映っていたのは、見知らぬ男の子だった。
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