将棋というもの

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将棋ってどんな感じ。 「そりゃ堅苦しいわ~」 知的やしインテリやし、古臭いし、後から匂う。 (扇子であおぐわ)笑 でもなあ。 小さい小さい線引いた板のルールの中で、気い遣いながらおっきいでっかい事考えて、自己満に浸ったり、時には相手のこと睨んでみたり、すかしっぺカマシテミタリ。 「クサ~。 音のならん屁ほど臭いもんはない。」 「そうかもしれん。」 将棋の知らん人には、 ちんぷんかんぷんかもしれん。六段がそうや。全く指し手がわからん。小さな小さなジャブばかり打ちよって、3段の俺なんてセックスの前戯に差し掛かる前にガチガチや。もう手も足もでん。でんというより出されへんねん。それに雰囲気とか女性とかだと色気とかがない交ぜになってイチコロや。 それから戦が始まる。 僕は鎧着けて刀研いで、甲かぶったら疲れてもうて、戦に行かんと家路を急ぐねん。そして呑気に煙草吹かせてその繰り返し。 そしてたった独りで将棋すんねん。 ほんま情けないやろー その点、いやそれどころかうちの先生は男は黙ってサッポロビールや。 (ほんまは珈琲やけどな) 多分、真っ黒い水を飲みながら、その波紋の中に良い手と悪い手で写るんやで。 フジフィルムの写るんですよ!や。 悔しいけど、僕は写らないんですよ!かも。 でも、悔しいですよ! 将棋は松本清張のけもの道。 プロはそこに品がつく。 賞味期限も有りやで。 内の先生はそれがある。 だからセミプロ。 僕なんか独りと将棋してんのは時間の無駄や。 でも、一生懸命考えてくれて帰りに土産までくれて、黙ってナクサメテくれんねんで。 良いやろー 羨ましいやろー 男の三大要素きちんと押さえてんねんで。 だから、僕は将棋やめへん。皆に止められても楽しいから。 将棋の駒触らんで死んだやつ バーカー 世界は沢山あるのに。
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