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「よし……うふふ、逃げ切った。逃げ切ったぞー!」
ガッツポーズを決める命。
しかし、そこは閑散とした駅前の広場。
先程の青年の「ずべらっ!」が彼女のところまで届くのだ。つまり、奇声を上げ、ガッツポーズを決める命は先程の青年を含めた、多数の人間の注目を集めてしまっていた。
「ママー、あの女の子変ー」
「しっ、指しちゃいけません!」
そそくさと立ち去る。木枯らしが強く彼女を襲った。
「うぅ、寒っ。早くお家に帰らなくちゃなぁ……って、家ないじゃん!」
虚空にシュバッと突っ込みが入る。
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