序章

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 拝啓 お元気ですか?  わたしの町にもついに雪が降りました。初雪です。でもすぐに溶けちゃいました。きっと、こちらでは積もることはないでしょう。そっちはもう一面真っ白でしょうね。  雪かきに追われている瑠璃君が目に浮かびます。恨めしそうな顔でこっちを見てます。  この間のお手紙で、事故があったって書いてあったけど、みんな大丈夫だよね。巻き込まれたりはしてないよね。心配です。  ねぇ、瑠璃君。わたし、きっと大変だと思うけどね、今年に冬、一度そっちに帰ろうと思うの。自分一人の力で。  瑠璃君はきっと反対するよね。 「自分が迎えにいく!」  なんて言ってそうだね。でも、決めたんだ。自分の力で、自分一人の力でやり遂げてみせるって。  でも、困ったら連絡するかも……。  でも、ひとりでやってみせるからね!  皐月
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