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私は、気が付いたら、見知らぬ場所に居た。
―ここ、どこ?
……真っ白な、雪……?
ふわふわと落ちてくる雪は、わたあめみたいで、とても綺麗。
……っていうか、なんで雪?
今って初夏だよね?
私は摩訶不思議な現状に首を傾げた。
雪、触ろうとしても触れないし。
なんか浮遊感あるし。
全く寒さ感じないし。
おかしいよね、うん。
初夏のはずなのに、辺り一面が銀世界で、空からは雪がふわふわ。
私はしっかり地面に立ってるはずなのに、何故か浮遊感を感じてる。
そして、全く寒くないし、辺りを見渡しても、私以外誰も居ない。
………有り得ない。
そして、少し経った頃。私は、ある結論に辿り着いた。
……あ、そっか。
夢だ。
うん、夢だね。
部活で疲れて、家帰ってすぐ、思わず寝ちゃったんだ。
そう一人で納得して、うんうん、と頷いた。
そして、辺りにを見渡し、空を見上げる。
不意に、切なさが込み上げた。
夢なら、早く醒めてほしい。
こんな銀世界で、一人ぼっちは、寂しいから。
「……ねえ、誰か居ないの?」
思わず、ぽつんと呟やいてみた。
勿論、誰からも返答は無い。
まるで、世界から私だけが取り残されたみたいで、少し背筋が寒くなる。
「誰か、返事してよ……」
悲しくて、切なくて。
どうしてなのか分からないけど、どうしようもなく、胸に込み上げてくる、思い。
「ねぇ、誰も居ないの……?」
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