ぜろ、ぶっと部の日常

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それからというものなかなか扉の奥から声がしない。 退屈になってきたので何かしようと背負ってきた鞄を漁っていると、 「よっ、誠吾」 爽やかな笑みを見せながら挨拶してきた。 「よっ、水留(つづみ)」 彼女の名前は岡嶋水留(おかじまつづみ)。 一見すれば爽やかな性格にも見えなくはないが、実際は熱苦しい性格の持ち主。 情熱や熱血、勝負という言葉が大好きで傍にいると溶けてしまいそうになる位熱い。 コイツの武勇伝を幾つか語ると、野球ではピッチャーを努めて完封勝利するわ、サッカーでは一人でボールを持って独走しながらシュート連発するわ、バレーボールではスパイクで地面に跡をつける位強烈なスパイクを打つわで常人離れもいいとこである。 とまぁ、ここまでなら完全ハイスペック少女間違い無しなのだが、容姿に問題があるのだ。 『ロリ』。 そう、水留は運動ハイスペック少女だが、容姿がロリなのだ。 赤いショートヘアでペッタンコの胸、身長が百三十しかない。 私服を着ていたら間違いなく小学生だ。 それも無茶苦茶強い小学生。 因みに水留に『ロリ』とか言ったら死ぬから気をつけろよ。
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