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とりあえず適当にごまかすしかないか。
「キリカ、残念だけどこの能力は特殊な条件下でしか発動出来ないんだ」
「特殊な条件?」
「そう、その条件はとても厳しくてな。だから無理なんだ」
「どんな条件なの?」
ぐ、やはりそこを聞いてきたか。
どうする俺?
「あ、いや、俺のは二つを比べる時にしか発動しないんだ」
「二つって?」
よし、ナイスとっさの俺!
これなら大丈夫だ!
「例えばさ、シャーペンと鉛筆のどっちが好きって聞かれたとするじゃん。それでどっちを答えたら相手の反応が良いかってのを見れる能力なんだ」
「成る程ぉ、なら今回は四人を比べるんだから発動出来ないんだ」
「そうなんだ!だから諦めろ、な?」
よし、これでこの話を終わらせられ――。
「……今思ったのですが、総当たりになるよう二人ずつ比べていけば良いのでは?」
………………。
ヤベェ。
今、物凄くヤベェ。
完璧な言い訳にまさかの落とし穴があったとは……。
いや、まだだ。
まだ言い訳は出来る!
「いや、他にもあって――」
「それにさっきゲームをしていて気付いたんですが、二つを比べるしか出来ない異能なら何故あんな無限にある動きのもので発動するんですか?」
……バレた。
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