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「せーちゃん?なんか凄く汗かいてるよ?」
「き、きき気のせいだ。うん、気のせい」
「誠吾、声裏返ってるし噛みすぎだ」
終わったぁぁ……。
「さて、誠吾くんが嘘をついていたのが分かりました。観念して未来を見て下さい」
「せーちゃんっ、嘘はダメなんだよ!さぁ、早く早く!」
キリカは可愛く怒りながら俺に未来を見るよう催促する。
今日分かったこと。
雅さんに嘘をつく場合は完璧な嘘でなきゃすぐバレる。
「――仕方ない。じゃあ比べます」
『分岐の先(ジャンクション)』。
えーと、まずは誰から見るか。
無難に水留からでいっか。
「――ん?」
あれ、変だな。
未来が見えねぇぞ。
おかしいな……。
「どうした誠吾、難しい顔して」
「いや、何でもないぞ」
もう一度水留との未来を見ようとするがまたもや失敗。
何でだ?
今までこんな事は一回も無かったぞ。
仕方ない、水留は止めてワン子にするか。
水留からワン子へと変え未来を見る。
だが、また未来が見えなかった。
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